親知らず(親不知・おやしらず・智歯)

親知らずは、一番奥に出てくるべき3番目の大臼歯で、上下左右で4本生えてくる可能性があります。
4本ともきれいに生えそろっている方もいますが、歯と顎の骨の大きさとのバランスや生えてくる方向などの問題で正常に出てこない方が多いようです。

もともと一本も親知らずがない方もいます。親知らずも体の一部ですので少なくとも御自分が親知らずを持っているかどうかは知っておいた方が良いでしょう。

親知らずが腫れた

よく親知らずが腫れたと聞きますが、これは親知らず周囲の歯肉が腫れたり痛みが出たりしたときの症状です。
原因としては、正常な位置、方向に生えていないことで歯肉の隙間に入ってしまった汚れが取れず、炎症をおこすことが多いようです。(智歯周囲炎)
もちろん親知らず自体が虫歯になって痛みを出している場合もあります。

2~3日で自然と治まってしまい何回か繰り返すケースもありますが、放置していると非常に危険です。

はじめはうずいていたものが痛みを感じるようになり、親知らずの周りの歯肉が赤く腫れ(膿がたまっている状態)熱を持つことを繰り返しているうちに口が開けにくいまたは閉じると痛いなど、さらには顎から首にかけて大きく腫れあがってくることもあり、重篤な症状(細菌感染から口腔蜂窩織炎、心臓を含め全身への影響)になることもあります。

親知らずのタイプ
完全埋伏智歯
不完全埋伏智歯
水平埋伏智歯

親知らずの抜歯

親知らずの痛みが出たら必ず抜歯が必要かというと、必ずしもそのようなこともありません。
レントゲン写真などで観察し抜かないで済むケースもたくさんあります。

周囲を洗浄し、膿をだしたり歯肉を整形したり環境を改善し、歯ブラシの方法を変え、必要な薬を服用していただければ、他の大臼歯同様の機能を持たせることもできます。
ここでいう機能とは上下の歯がしっかり噛み合うことができ咀嚼できるということです。つまり噛み合う相手の歯がない場合は抜歯も考えてよいでしょうし、歯並びに影響が出るような状態も抜歯の適応でしょう。

親知らずの前の第二大臼歯にも虫歯を作ってしまったり、他の歯の歯周病の進行を引き起こしていると見られる場合もなるべく早めに抜歯をしたほうが良いこともあります。

抜いた後に腫れるのですか?と聞かれることが良くあります。
親知らずだから必ず抜歯後は腫れるなどということはありません。
また的確な診断とプランニングで効率的に抜歯を行うことで、周りの組織の侵襲を少なくすることが腫れや痛みを少なくする重要なことだと思います。

当然技術や経験もある歯科医師による処置が望ましいことです。
抜いた後も適切な管理をしないと抜歯後出血、ドライソケット(抜いた後にかさぶたができずに骨が露出し細菌感染等を起こし激しい痛み)さらには顎骨骨髄炎に悪化する場合があります。
抜歯の際も感染予防の対策をしっかり取り組んでいる当院で安心して治療を受けていただけます。

抜歯の場合のリスク

残念ながら抜歯しか選択肢がない場合、周囲の組織の特殊性が問題になります。

特に注意しなければならないのが上の親知らずでは上顎洞、下の親知らずでは下顎管というもので、一般の2次元的なレントゲン写真だけではわからない解剖学的位置関係が問題になります。
たとえば下の親知らずですが、親知らずの一部が神経や血管を入れている下顎管という顎の骨の中を通る管に接触または接近しているのを確認できないまま抜歯を行い下顎管を損傷したりすると、大出血や下顎の知覚麻痺がおきる可能性があります。

そのようなことを事前に回避するため当院ではCT撮影を行ってから診査診断を立て、治療に入りますので抜歯後のリスクを抑えることで安心して治療を受けていただけます。